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顧客管理

コラム:金融機関が保有する顧客データは”宝の山”(第1話)

2021年4月22日 278 Views

はじめに

金融機関が保有する顧客データは”宝の山”です。
なぜ宝の山なのでしょう?その理由は至って単純です。
顧客一人ひとりのお金の使い方やキャッシュフローの動きが口座の取引データから観察できるからです。
ちょっと味付けすれば、お客様一人ひとりのライフステージやライフサイクル、ライフイベントから、その時に望んでいる資金ニーズが予想できます。
口座取引という実績データに客観的に観察できます。
こんな確かなデータは金融機関以外の業態では観察することはできません。
そのデータを分析し観察できるということは“ホンマ宝の山“ です。

自己紹介

前置きはこんなところにしておいて、先ずは簡単な自己紹介からさせて頂きます。
金融ビジネスを担当しています片口清行(カタグチ キヨユキ)と申します。
今回、金融機関が持つ顧客データは”宝の山”と題してお話を進めさせて頂きます。
(ここでいう金融機関とは銀行、信用金庫、信用組合、JAなどの銀行業態をイメージしています)

今宵62歳になる私ですが、昔々の若かりし20代の頃、クレジットカード会社で初めての金融業界の世界に入りました。
某電機メーカーの企画部門で少し肩慣らしをし、30代半ばから再び金融の世界に入りました。
今度は金融機関ではなく、金融機関をクライアントに持つコンサルティング会社です。
金融機関が蓄積している様々なデータから、何らか解や方向性を導き出すといった分析とコンサルティング業務に従事してきました。
特に融資やローンといった信用リスク分野で、信用リスクや資金ニーズを推測するモデルの構築や業務設計を数多く手掛けました。
金融機関が保有する様々なデータを分析し、融資業務や営業・マーケティング活動の支援をさせて頂きながら多くのことを学び経験させて頂きました。
金融機関では顧客の取引データをはじめ実に貴重な情報を蓄積し保有しています。
そのデータを果たして十分に活かしきれているのだろうか、顧客に満足のいくコミュニケーションが十分にとれているのだろうか。
金融機関で蓄積・保有するデータは宝の山に変えることができます。
そのデータの活かした方についてお話を進めさせて頂きます。

顧客のライフステージやライフサイクル・ライフイベントは様々

個々の顧客が立つその時のライフステージやライフサイクル・ライフイベントは様々です。
自主的に金融機関と取引を始める時期は学生になる頃からが一般的でしょうか。

ライフステージ・ライフサイクル・ライフイベントの例

勉学とアルバイトを掛持ちしながら学園生活をエンジョイする学生、学費も自ら賄っているような勤労学生、中には勉強一筋の学生、一括りに学生といっても様々なタイプの学生がいることと思います。
卒業しそして就職、社会人としてスタートラインを切るわけですが、独立し一人暮らし、家賃の支払い、車の購入、そして様々な人間関係の形成のためのお付き合い、金融機関との取引が本格化するのはこのライフステージだと思います。
やがて結婚し、出産と育児、独り身からファミリーへとライフステージが遷移し、様々なライフサイクルが生まれてくることになるでしょう。
そろそろマイホームの購入を!というライフイベントもこの頃ではないでしょうか。
やがて第2子の誕生、子供の成長に伴ってお稽古事やスポーツチームへの参加、そしてお受験のための塾通い、ライフイベントの目白押しですね。
唯一の趣味のゴルフにたまには行きたけど、稼いでも…稼いでも…お金が足りんよ、なんていうライフステージを迎えているのではないでしょうか。
こんなキツキツなライフサイクルではなく、ゆとりのあるライフサイクルを送られている方もたくさんいると思いますが、私の個人的なライフサイクルが少々入り混じった例でご容赦くださいませ。

ライフステージやライフサイクル・ライフイベントは様々

さて、顧客毎に様々なライフステージがあって、その時の資金ニーズも様々です。
車を購入する、住宅を取得する、子供や自身の教育のための資金や、家族旅行のための資金、時には生活のための資金、資金が必要になるイベントは様々でしょう。
また将来を見据え貯金をしたい、余裕のある資金の運用を考えたい、手持ちの資金を効率よく資産形成していきたい、定年を迎え老後の生活資金や相続のことも考えたい、これらの資金ニーズに応えることは金融機関にとって大きな役割だと思います。
個々の顧客の様々な資金ニーズにどう応え続けることができるか、個々の顧客のLTV(生涯価値)をいかに高めることができるか、継続的な金融支援をどうしたらできるのか、金融機関にとってはここが重要なポイントになると思います。
顧客の満足度が上がれば当行のファンになり、将来に渡って長く厚くお付き合い頂けるのですから。
金融機関ではマスに対する広告や一方通行的なプロモーションはもちろん大事な戦術だと思います。
しかし個々の顧客が必要としているタイミングで、必要な資金ニーズを事前に捉え、それに応えていくことができれば顧客の満足度は向上します。
同時に金融機関としての価値も上がることになるのではないでしょうか。

個々の顧客がその時に必要としている資金ニーズは、金融機関が保有するデータから推測することができます。
第2話では、金融機関が蓄積・保有する顧客データとはどのようなデータなのかをお話しさせて頂きます。

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