友だちが増えている地方銀行LINEアカウントの内容とは?
金融ビジネス推進グループの藤吉 香葉子です。
日頃は、地方銀行のお客様にWebフォームやWebサイトを活用いただく提案や制作ディレクションを行っています。
今回のライター紹介:藤吉 香葉子
- 金融ビジネス推進グループ プロジェクトマネージャ(担当歴6年)
個人向けローン申込みスキーム 導入実績9件
個人向け口座開設申込みスキーム 導入実績2件
など、Web上での申込みとコミュニケーションの仕組みを提案~構築まで手掛けています
ご相談の多くは非対面でのWeb受付を強化したい!というご相談なのですが、マーケティング強化のご相談も同じくらいいただきます。例えば、
地方銀行の方とWeb関連の会話をしていますと「LINE配信を始めました」というお話を伺う機会がたびたびあります。
Web申込みやコミュニケーションの仕組みを考える職業柄、地方銀行の方はどんな感じでメッセージを発信しているのだろう…ということが気になり、最初はいくつかの地方銀行の公式アカウントを友だち登録してみました。
そのときはまだ、地方銀行アカウントから送られてくるLINEメッセージは、きっと商品案内ばかりだろうと思っていました。(←すみません)
ところが、実際に受信してみると、チャットボットあり、地域のスポーツチームの試合結果あり、さらには料理レシピの案内あり…と、意外と(←本当にすみません)多様な発信をされていることに気づきました。
そして2020年11月のある日、「手当たりしだいに地方銀行LINEアカウントとつながったらどんな世界が見えるのだろう?」と思い立ち、その世界を見てみようと思いました。
(こんな事を調べよう!と思ったのはたぶん世の中に私だけと言われました、、だって気になったんだもん。。)
<目次>
LINEアカウントとつながった方法
LINEの公式アカウント検索で、「銀行」というキーワードで検索をかけて出てきた地方銀行と友だちになりました。
この方法を使い、昨年11月末時点で27行のアカウントと繋がりました。
それからかれこれ9ヶ月以上、これらの27行のLINE担当者の方が配信されているLINEメッセージを受け取り続けています。
今回は、この27行のLINEメッセージを受信し続けて気づいたことをまとめてみました。
なお、現在LINEの友だち登録をしている地方銀行アカウントは52に増えています。
友だちになった地方銀行アカウントと受信メッセージ件数サマリ
ここから先は地方銀行LINEアカウントから受け取ったメッセージ数や、各アカウントの友だち数が出てきます。
これらの数値は藤吉が個人的に受信・カウントした数値となりますことをご了承ください。
27アカウントの内訳と受信メッセージ数を以下にまとめます。
月当たりの配信メッセージ数は、各銀行によって差があります。平均2件/月ぐらいです。
半年あたりの友だちの増加率が高かった地方銀行アカウントのメッセージ
あるとき、これら27行のアカウントがどれくらいの友だちと繋がっているのかが気になり、各アカウントの友だち数を不定期にカウントするようになりました。
2021年3月20日~2021年9月3日の間で、各アカウントの友だち数の推移を見てみますと平均5.4%増加していました。
友だち数増加率が1%~6%ほどのアカウントが多い中、10%以上増加しているアカウントが4件ありました。
今回は、これらの4行のアカウントからどんなメッセージが発信されていたかをご紹介します。
第4位 長野銀行アカウント 11.3%増(4,943⇒5,524)
特徴としてはとにかく配信数の多いアカウントです。
月当たりの配信メッセージ数が平均2件だった中、長野銀行アカウントは平均10件。3日に1回はメッセージが届くペースで、27行の中でも堂々トップです。
そんなに頻繁に、どんなメッセージを届けるの?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
実はこちらのアカウントでは、地元の飲食店等の案内メッセージを配信されています。
銀行からのメッセージでありながら、美味しそうな料理の写真が送られてきます。
そんな意外性やお店情報という身近な情報を受け取れる便利さから、友だちが増えているのかもしれません。
第3位 京葉銀行アカウント 13.2%増(20,091⇒22,748)
既に万単位の友だちとつながられていながら、更に友だちをハイペースで増やされている、とても勢いあるアカウントです。
月当たりの配信メッセージ数は3.8。平均よりも多めの配信頻度です。
こちらのアカウントの特徴は、千葉県内の魅力スポットの紹介「日本百選ofちば」の配信です。月に1回、この「日本百選ofちば」のメッセージが届きます。
銀行商品の案内メッセージが送られてきたかと思うと、その次は千葉の魅力スポットの案内。といった流れで、バランス良くメッセージが送られてきます。
第2位 岩手銀行アカウント 18.7%増(5,429⇒6,444)
一気に増加率が19%近くまであがりました。岩手銀行アカウントです。
こちらのアカウントでは、2021年4月からいわぎんデジタル専用キャラクターに任命された「いわぷぅ」がLINEメッセージを発信してくれています。
2021年の2月~3月にかけて行われていたキャラクター総選挙も、LINEでアナウンスされていました。
そのまま総選挙で勝ち残ったいわぷぅが、メッセージの送り手に任命された形です!
8月にはいわぷぅのLINEスタンプの紹介もありました。
いわぷぅ、岩手のみなさまからきっと愛されているのではないかと思います。
第1位 肥後銀行アカウント 22.2%増(15,591⇒19,047)
15000件以上の友だちとつながっていて、約半年で友だち増加率20%超えという、驚異のアカウントです。
配信メッセージは、これまでにご紹介してきたアカウントとは雰囲気が異なり、銀行のキャンペーン案内やスマホ支払の案内が中心です。
月当たりの配信件数もほぼ平均通り。
特徴としては、ひとつひとつのメッセージが非常にコンパクト&シンプルです。
バナー画像だけが送られてくることも。
LINEメッセージは文章をじっくり読ませるためのツールではないので、バナー画像1点でメッセージを伝える手法は、受け取り手にとって直感的に情報が入ってきて心地よいのではないかなと思いました。
まとめ
友だち増加率の高いアカウント同士を比べてみて、同じ地方銀行とはいえ発信内容はそれぞれかなり異なっているなと思いました。
一方で、どのアカウントも読み手にとっての心地よさを持っているなとも感じました。
その心地よさは、以下のようなポイントから来るのではないでしょうか。
●伝え方のシンプルさ
LINEでは長々と文字を書くよりも、「伝えたいことをシンプルに」が鉄則だなと改めて感じています。ひと目でわかるバナーがあれば十分な場合も。
受け取り手が吹き出しをパッとみたときに、めんどくささを感じさせないのが、ブロックされないための秘訣なのかもしれないと思いました。
●メッセージの一貫性
今回は4行のLINEアカウントの特徴を書かせていただきましたが、どのアカウントも特徴を掴みやすく、さらっと書くことができました。
つまり、発信しているメッセージに一貫性があるのではないかと思います。
受け取り手が安心して読める、という特徴がありそうです。
●その地方に対する思い入れ
地方銀行の顧客は、その地方に住む人達になりますので、地方に対する思い入れのあるメッセージは自ずと受け入れられやすくなります。
キャラクターであったり、おすすめスポットであったり、地域のお店であったり、表現はそれぞれですが、地方に対する思い入れ・愛着があるアカウントはその地方のみなさまに愛されやすのかなと思いました。
以上、日本中でたぶん私だけが気になりやり始めた勝手調査でした!
お話をお伺いするとどの金融機関も確固たる運営方針は見いだせておらず、手探りで試行錯誤されている感じです。顧客への伝達手段として得意なパターンが見いだせればまだまだ可能性がある伝達手段になりえると思います。
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