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FIT大阪2024セミナー開催レポート【京都信用金庫様ご登壇】住宅ローンWeb申込を倍増させた非対面受付スキームの構築

2025年1月7日 78 Views
FIT大阪2024セミナーレポート

シナジーマーケティング 金融ソリューション事業部の山野です。
2024年9月に開催された「FIT大阪2024」に出展いたしまして、セミナーでは京都信用金庫 児島様にご登壇いただきました。
本記事では、定員50名のところに事前申込72名(定員の144%!)、来場者数51名(定員の102%!)と大変な盛況ぶり、かつ参加者満足度92.5%!と大好評を博した弊社セミナーの開催レポートをお届けいたします。

FIT大阪2024セミナー内容のご紹介

セミナー概要

【住宅ローンWeb申込を倍増させた非対面受付スキームの構築】をテーマに、住宅ローンWeb申込受付と業務フローの改善をすることで、Web申込みの割合が倍増ペースで拡大した事例について、児島様よりご紹介いただきました。

単なる受付のWeb化ではなく、金庫職員や不動産会社など「人」が介在して柔軟に対応できるための領域も確立することで、あるべきWeb受付スキームを構築し、成果につながったポイントについても教えていただきました。

ご参加者様のお声(アンケート結果)

セミナー後アンケートでは、
【本日の講演内容は、今後のビジネスの参考になりましたか】の設問に対し「とてもそう思う」「ややそう思う」と回答した人は、92.5%となっており、非常に満足度の高いセミナーとしてご評価いただきました。

ご参加者様からは、

  • 実際に導入している金融機関の所感を聞くことができて大変わかりやすかった
  • ローンのWeb受付を検討しているため、とても有効な情報を得られた
  • 既にWeb受付を実施しているが、それでも新しい発見があった

など、ローンのWeb受付に未着手の金融機関様だけではなく、既にWeb受付されている金融機関様にとっても、参考になるというお声をいただきました。

それでは次の章から具体的な内容について、ご紹介いたします。

セミナー内容のポイント

1.当時の課題

当時の京都信用金庫様では、住宅ローンの申込みは99%紙受付の状態でした。
多くの金融機関で非対面受付が進んでいる中、金庫内の業務負担軽減、そして何よりも、利用者の利便性向上のためにもぜひWeb受付に本格的に取り組みたい!でも、何をどうすればよいのか、が整理できていない状況でした。

そのような中、福邦銀行様にご登壇いただいたFIT2020での弊社セミナーで「ローンのWeb申込みで実現すべき方向性」についてヒントを得ていただいたことが、今回のご縁につながりました。

それでは、Web申込みで実現すべき方向性とは何なのでしょうか?

2.Web申込みで実現すべき方向性

児島様は、ローンの非対面受付を構築するために取り組むべき方向性は2つあるとおっしゃられていました。

1つ目はWeb申込受付の再構築、2つ目はWebサイトの再構築です。

それではそれぞれの内容について、児島様に代わって実際にセミナーを拝聴させていただきました私、山野からご紹介いたします。

2-1 Web申込み受付の構築

具体的には、利用者が申込みしやすい受付フォームを「Synergy!」で実現されました。
(Synergy!とは、弊社が提供している顧客管理クラウドサービスです。属性情報、行動履歴といった顧客データを収集・蓄積し、集めたデータをもとに顧客との1to1コミュニケーションを実現します。)
Web申込みフォームでは、途中で離れてしまう利用者を減らすための設計が重要で、
例えば、

  • 入力補助(例:お名前を入力するとフリガナが自動入力される)
  • 入力の手間をできるだけ減らすために、項目数を最小限にする
  • 自動的に登録リマインドメールを送る仕組みを構築する

といった取り組みを挙げられていました。

書面とWebでは、申込みのしやすさに対するアプローチは異なります。
弊社では、Web上でスムーズに申込みを完了できるノウハウを豊富に持っており、離脱率が低く、お問い合わせの少ない申込みフォームを作成することができます!

また、金庫職員様の事務負担を軽減させる工夫として、
例えば、

  • 選んだ内容に応じて表示項目を変えて分岐させる
  • 必要資金と資金計画が一致していない場合はエラー表示させる

といった様々な項目制御もされました。
そうすることで、紙手続きでよくある記入ミスなどを事前に防げるようになり、職員様の修正確認・お客様への修正依頼の対応負担も減少した、とおっしゃられていました。

2-2 業務フローの整備

次は、業務フローの改善です。
京都信用金庫様は、Synergy!で受け付けたデータを金庫側の審査用システムに自動連携させる業務フローを整備しました。
これにより、申込データを審査用システムに手動で打ち込む必要がなくなり、業務効率の大幅な向上につながった、とおっしゃられていました。

もちろん、紙媒体での申込みが完全になくなるわけではありません。
しかし、紙面で受けつけた申込み内容を、職員が転記するための専用フォームを整備することで、Web受付と同様の運用フローを実現し、業務効率が改善されたとのことです。

2-3 「人」の力で実現する、お客様の寄り添った対応

実は京都信用金庫様が、住宅ローンのWeb受付で大事にされていたこと。
それは、住宅ローンの審査が単純に「可決」か「否決」のような機械的な結果で終わるのではなく、お客様一人ひとりに合わせた対応をするということだったそうです。
それを実現するために、Synergy!のフォームを活用して簡易なマイページを設定しました。
「可決」or「否決」というゼロイチの回答ではなく、「減額したら融資可能」といった条件付き融資のご案内が可能になり、京都信用金庫様が大事にされている「お客様一人一人に合わせた柔軟な対応」を実現しました。

この取り組みにより、お客様との関係がさらに深まり、より多くの成約に繋がった、と児島様はおっしゃられていました。

また、住宅ローンの申し込み前段階から不動産業者様が関与しているケースも多くございます。
そのため、受付フォームに不動産業者様や金庫職員様の情報を登録する項目を設けることで、不動産業者様とも連携を取れるような業務フローを構築されました。

3.受付手前にあるWebサイトの再構築

最後に、受付手前にあるWebサイトの再構築です。
ページ訪問者の離脱率を抑えるだけではなく、検索結果での上位表示を狙うことも目的に、受付前段階にあるWebサイトも利用者目線で「見やすい」デザインにリニューアルされました。

ここで、「見やすい」サイト作りのために京都信用金庫様が行われていたことをを2つご紹介いたします。

1つ目は、ローン商品を「カテゴリごと」に設計することです。
多くの金融機関様では、住宅ローン一つにしても、保証会社別に複数の商品を用意しています。
しかし、様々な商品名が並ぶだけでは、利用者はどれを選べば良いか迷ってしまいます。
そもそも、利用者はまずローン種類で検討を開始します。               だからこそ、利用者視点の商品提供の仕方にするべく、まずは「カテゴリごと」に商品を設置し、選ぶ際に必要な特徴やメリットを分かりやすく提示されました。

2つ目は、ローン特設サイトの作成です。
この目的は、ローンのご検討に集中してもらうことです。
さらに、利用者が選んだり判断したりする際に必要な情報を分かりやすく提示するだけでなく、デザイン的に目立つ申込ボタンを設置することで、次の行動を迷いなくする工夫もされました。

4.今後の展開

京都信用金庫様は今後の展開に向けて、住宅ローン申込者データをマーケティング活用するための準備をしていらっしゃいます。

例えば、

  • ローン実行したお客様に対して、異なる商品のメール訴求をし、クロスセル・アップセルを目指す
  • ローンをお申し込みされたが実行には至らなかったお客様に、別のローンのご案内をメールで訴求

など、受付部分の構築だけではなく、顧客データを活用し、更に訴求を重ねるというサイクルの自走を目指されております。

さいごに

今回のセミナーは、定員50名のところに事前申込72名(定員の144%!)、来場者数51名(定員の102%!)と大変な盛況ぶりでした。
また、FIT2024(東京)でもお話いただいたのですが、定員を大きく上回る128%の来場お申込率を達成し、大盛況となりました。
このことから、地方銀行・信用金庫を問わず、どの金融機関様でも非対面受付の強化が一つの大きな流れであることを、弊社メンバーも実感いたしました。

もし「FITでは見れなかった」「内容をもっと知りたい」という方がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽に弊社営業メンバーへご連絡いただけますと幸いです。
(営業メンバーとやり取りがない方は、ぜひお問い合わせフォームよりご連絡ください)

また、弊社はただの「Web受付屋さん」ではなく、その先にいるお客様の利便性を向上させるために必要なトータルソリューションを提供しています。
デジタルマーケティングの領域でお困りのことがございましたら、いつでもお気軽にご相談ください。

末尾にはなりますが、児島様改めてありがとうございました。
また、最後までお読みいただきましたみなさまにも、改めてお礼申し上げます。

今回のセミナーで得た知見が、皆様のビジネスにお役立ていただければ幸いです。
今後も皆様のご期待に沿えるよう取り組んで参ります。