ローン受付フォームが実行数・貸付残高に及ぼす影響とは【中国総合信用株式会社様事例】
Webでローンの申し込み受け付けをおこなっている金融機関は多く見受けられます。しかしながら、設置しているフォームの現状を把握している金融機関はどれほどあるでしょうか。
一般的にWeb上での成果をはかるツールとしてはGoogle Analytics(GA) などがよく使われていますが、貴社ではこういった測定ツールをうまく活用できているでしょうか?また、設置した申し込みフォームの成果に関する詳細を把握できているでしょうか?Google Analytics(GA)の操作や分析が難しく見ていない、自社開発しているため使用できないなど問題を抱えている金融機関も多いかと思います。
Web申し込み受け付けフォームは設置して終わりではありません。フォームの問題点を把握し改善することが重要です。現状の把握と改善をおこなうことによりローン申し込み数と実行率の上昇が期待できます。
今回は中国総合信用株式会社様の取り組みを例に、フォームを改善することによる貸付残高への影響についてご紹介します。現在のフォームで「実行率が上がらない」「申し込み数が少ない」など、課題を感じておられる方はぜひ参考にしてください。
<目次>
現在の申し込みフォームの問題点を把握するための取り組み【中国総合信用株式会社様事例】
申し込みを完了してもらうことが申し込みフォームのゴールですが、フォームの視認性(ユーザービリティー)が悪いと、最後まで到達せずに離脱する人が増えてしまいます。
把握しておきたいのは、以下のポイントです。
- フォームに何人来ているか(流入数)
- どこで何人離脱しているか(離脱率)
- 何人申し込みを完了したか(完了率)
中国総合信用株式会社様では、当初どの数字も把握できておらず問題点も分からない状態でした。そこからどのように改善をおこない、実行率の増加にまでつなげられたのかを詳しく解説していきます。
中国総合信用株式会社様のWebフォームの例(改善前)
まず離脱をふせぐために、ユーザーが申し込みたいと思えるWebフォームへと改善をおこないました。改善前の課題を簡単にご説明します。
■改善前のフォーム
・フォームが見づらい
情報量が多く余白が不足しているため、全体的に単調で圧迫感がある印象。
・入力する際にストレスを感じる
入力に関する注意文言が不親切で、次のステップへ進む前にエラーが発生しやすい。
・モバイル対応が不十分
数字の全角入力が必要になるなどスマートフォン利用者にとって入力しづらい仕様。
申し込みたいと思えるフォームにするための改善
フォームにアクセスしたお客様に「申し込もう」という気持ちのまま申し込みを完了してもらうために、離脱の要因を一つずつ取り除いていきました。
■改善後のフォーム
・見やすくする
余白のある項目の配置と入力する項目をページ別に分ける。
・ストレスのない入力項目にする
入力内容の可否(入力した項目が色付けされ一目で分かる)や入力例の充実。
・モバイルに対応する
文字を少なく、実行ボタンを大きく分かりやすく配置。
そのほか、離脱の要因となる他サイトなどへのリンクははらず、申し込むことだけに集中できるようにしました。
フォームの現状を把握するための仕組みの導入
さらに中国総合信用株式会社様は、一度改善したら終わりではなく「フォームの現状を把握し、離脱の要因を一つずつ取り除く」ための継続的な取り組みもおこなっています。具体的には「Synergy!」での「フォームの訪問数・登録数・離脱数・離脱ポイント」の分析です。
この分析は「フォーム解析レポート」機能を利用することで可能になります。一日がかりだった分析・報告作業が画面キャプチャを取るだけで完了できるようになり、分析の精度や時間効率が大きく改善されました。
■フォーム解析レポートの例
フォームで発生した入力エラーについては項目と理由が表示されます。問題が多い箇所にお客様が感じている不便のヒントがあるため、フォームのさらなる改善をはかることができます。
今お話ししたような分析はGoogle Analytics(GA)でももちろん可能ですが、自社の運用に落とし込み、慣れるまでには多少Webの知識が必要となるため、少しハードルが高いです。しかしながら「Synergy!」があれば、システムが自動でレポート化してくれるため、Webの知識がなくても簡単に分析結果を把握できるようになるのです。
改善の結果(まとめ)
問題点が分からない状態から、現状を把握し、申し込みやすさを考えたフォーム改善を実施した中国総合信用株式会社様。
2016年度から改善に取り組み始めましたが、現在も保証残高は右肩上がりで伸び続けています。
現状を把握しフォームを改善することで離脱率が減り申し込み数も3倍に増加。実行率も上昇し結果的に貸付残高の増加に成功しました。
実行率が上がった理由は以下です。
ユーザビリティーが低いフォームでも申し込みを完了する方の中には、すでにどこかで審査に通らず、どうしてもローンを組みたいというお客様も一定数おられました。金融機関にはこだわらないが、かんたんにローンを組みたいという多くのお客様を離脱させ、申し込みを完了されたお客様の実行率は低くなるという悪循環から、結果的に実行率が低いフォームになっていたことがわかりました。
しかしながら、中国総合信用株式会社様ではフォームを改善した結果、全体の申し込み量が増加しました。それは、結果的に審査上問題のないお客様からの申し込みを増やすことにつながり、実行率も上昇しました。
他業種の事例を導入したいと考えている金融業界のマーケターのみなさんに、シナジーマーケティングは幅広い業界の支援経験を生かしたサポートをご提案します。ぜひ一度ご相談ください。
本内容は、事例ページでも紹介しています。
>>中国総合信用株式会社様事例