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マーケティング顧客管理

Web上の導線設計とは?Webからのローン申し込みを増やすためのポイント解説

2020年1月20日 2,433 Views

金融機関におけるローンのWeb申し込みを伸ばすための施策について、2回にわたってご紹介してきました。

1回目
は、申し込み完了のコンバージョン率を上げる施策として、申し込みフォームを訪問した人が入力途中で離脱するポイントを少しでも減らす工夫を。
2回目
では、電話でのアナログなコミュニケーションに加えて、メールやSMSなどのデジタルコミュニケーションを利用するメリットについてご紹介しました。

これらの取り組みは主に訪問者の離脱率を下げ、顧客の取りこぼしを防ぐことを目的にしたものです。

今回は取りこぼしを防ぐだけではなく、「いかに訪問者の数を増やすか」という課題に対して密接に関係するWeb上の導線について、「Synergy!」を活用した例を挙げながらご紹介します。

申し込みフォームへ誘導するために~サイト導線の見直し

Web上の申し込みフォームへ誘導する方法は主に2つあります。

1.Web広告を使って新規の流入数を増やす
2.サイト導線を見直し直帰または離脱数を下げる

単純に訪れるユーザー数を増やすだけなら1.の広告利用が手っ取り早いのですが、2.のサイト内の導線整備をおこなわなければ、閲覧中にサイトを離脱してしまう問題は解決できないままです。そのため、サイト導線の見直しは申し込みフォームへの誘導を考える上で非常に重要です。

今回は2.のサイト導線の見直しについてご紹介します。

金融サイトの一般的な課題

前提として、サイトからの離脱を防ぐには
・訪問者が必要としている情報を理解し
・訪問者の疑問を解消しながら情報を適切に提供し
・申し込みの後押しをする
ことが必要です。

しかし実際の金融機関のサイトでは、この点を実現できていないケースが多いです。
例えばサイト上に掲載している商材や情報量が多く、訪問者が必要な情報を選びきれない状態を生み出していた場合、情報の適切な提供ができていないといえます。

また、リンクや導線が複雑、もしくは途中で切れていた場合も同様です。具体的には、お知らせからテキストリンクをクリックすると説明のPDFチラシに飛ぶが、そこから先の導線を用意できていないといったケースが良い例でしょう。

これでは情報が適切に提供されているとはいえないため、申し込みの後押しができていないことになります。きちんと申し込みやお問い合わせまでの道筋がつなげられた状態が理想的です。

例:ローン商材ごとにわかれたページ

それでは、ローン申し込みを例に改善施策を詳しく見てみましょう。

サイト内での商材分類項目が「フリーローン」や「マイカーローン」だけではなく、商品特性や審査をおこなう保証会社様ごとに乱立しているケースはよく見られます。

基本的に訪問者は「フリーローン」や「マイカーローン」など自分の目的に合ったローンを選択し閲覧したいと考えています。目的に合っていることを前提に、●●銀行や××信用金庫が提供する「ローンの内容」を知りたいと思っているのです。

しかし、商材や情報が乱立しているサイトは、訪問者自身が複数の似たようなローン商材の違いを理解した上で選ばなければならない構造になっているため、訪問者の選択のハードルは高く、離脱につながってしまいます。

改善の例

弊社が手がけた実際の改善例をご紹介します。

ローン商材の統一

まず、同じ分類の商材はシンプルにまとめて分かりやすい表記に変更しました。
例えば、
「〇〇フリーローン」「▲▲フリーローン」→「フリーローン」
「××マイカーローン」「マイカーローン■■」→「マイカーローン」にまとめるといった方法です。

これにより、「●●銀行や××信用金庫が提供するフリーローン(もしくはマイカーローン)」という打ち出しになります。

この施策は似たような商材が乱立することを防ぎ、複雑さを防ぐ効果があるのです。

ローン申し込み専用サイトの開設

次に商材を統一し、ローン申し込みの専用サイト(ランディングページ:LP)を用意しました。

一覧化することで訪問者は、商材全体を把握した上で必要な部分のローンのみを閲覧できるようになりました。また専用サイトの開設は金融機関にとっても利点があり、ページをまとめることで、どこから来る人が多いのか、どのローンの反応が良いのかなどを分析することができるようになります。

導線改善のためのSynergy!の活用例

ここまで例に挙げた点を改善できると、訪問者にとって必要な情報を適切に提供できるようになります。そのためには、前項の改善例で紹介した「商材の統一」が有効であることはお分かりいただけたでしょう。

これらの施策を実現するためには、前回の記事でお話しした、審査フローの見直し・金融機関での申し込みデータ所持が必要になります。

その理由は、申込者自身が複数のローンから自分に適したものを選択して申し込むのではなく、金融機関が申込者にとって適切な各保証会社へ審査依頼を出す流れになるからです。

これにより、ユーザーは複数のローンに申し込む手間がはぶけ、金融機関は離脱と審査棄却による機会損失を防ぐことができるのです。

まとめ

他にも、離脱を防ぐためのサイト導線の改善として「クリックされやすいボタンにする」「訴求テキストを最適化する」といったものが挙げられます。これらの工夫も同様に、訪問者のスムーズな情報閲覧に役立ち、理解を深めることにつながります。クリックボタンで適切な問い合わせ先に誘導できれば、申し込み先に迷うこともありません。

つまり、小さな工夫とサイト全体の枠組みという大きな見直しを並行しておこなえば、実行率の高いサイトに近づけるというわけです。流入から申し込み完了までの流れを見直し、実行率の高いフォーム・貸付残高増加に貢献するフォームを構築しましょう。

ご紹介した取り組みについての疑問や、ご相談の希望があれば、お気軽にご連絡ください。

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