ローン申し込みをWebで受け付け!離脱率を下げる受付フォームのポイント
金融機関にとって貸付残高を増やすことは永遠のテーマです。弊社にもローンの申し込みを増やしたいというご相談をいただくことがよくあります。
そこで今回は、ローン申し込み獲得、特に個人向けローンを伸ばしたいという課題に対し、弊社顧客管理システム「Synergy!」が実現できることについて、具体的な事例を交えながらご紹介します。
個人向けローンの売り上げを伸ばすために
現在の状況
はじめに金融機関のローン申し込み方法やWeb環境を巡る、現在までの状況を確認しておきましょう。これまでのローン申し込みは、店頭もしくはお客様のご自宅を訪問し、直接申込書に記入していただくことが一般的でした。
しかし1990年代後半、日本でネットショップが誕生したことを皮切りに、パソコンや携帯電話(スマートフォン)が全国的に普及、あらゆるサービスや情報収集がインターネット上でおこなわれるようになりました。
こうした時代の流れを金融機関も無視するわけにはいきません。ローン申し込みもWeb上から受け付けがおこなえる環境が必要となりました。これからの時代、ローンの申し込みを増やしていきたいのであれば、Web上から申し込みがおこなえる環境を整えることは必須だと言えるでしょう。
ただし、申し込みの環境を整えたからといって、それだけで申し込みが増えるかというと、そう単純なものではありません。
Webの受付フォームを設置しただけではダメな理由
では、金融機関以上に競争の激しいネットショップ業界を例に挙げて考えてみましょう。ネット通販も実店舗と同じようにお客様がストレスなく利用できる状況を生み出すための「接客」が必要だと言われています。
ネットにおける「接客」とは、サイトの利便性や導線を整備することを指し、この点は非常に大切です。「接客」を考慮せず、単純にWebから購入できる仕組みを整備しただけでは、どこかのタイミングで頭打ちになってしまうことが考えられるでしょう。
これは、金融機関のローン申し込みにも言えることです。近年Webからの申し込み環境を整えている金融機関は増えていますが、利用者の利便性や導線までも整備しているところはまだまだ少ないのが現状です。では、何に注意して受付フォームを設置すれば良いのか、具体的に次の項目で解説していきます。
離脱率を下げるためのコツ
ローンに限らず、Webでの申し込みを獲得する大きなポイントは何といっても「離脱率を下げること」です。その他にもさまざまな要因が影響しますが、まずはこの「離脱率」に注目してください。
ローンという商材は、ほとんどの金融機関が取り扱っているため、その内容だけで差別化を図るのはなかなかに難しいものです。競合他社を含めた数あるローン商材の中から、自社の商材をお客様に選んでいただく必要があるのですから、申し込み途中でストレスを感じ、離脱されることがないようにしたいものです。
そのためには現状の受付フォームの離脱率を把握しておくことが必要です。たとえば、「現時点での離脱率は80%」というような把握をしておかなければ、せっかく自社製品を閲覧してくれたお客様の大半を離脱させたまま何も対策をおこなわない状況が続いてしまいます。また、「離脱率を〇%から〇%へと低下させる」という、具体的な指標や目標を打ち立てることもできません。
次の項目では離脱率を下げるための改善ポイントについて例に挙げてご紹介します。
例:紙の申込書をWeb化する場合
ローン申し込みのWebフォーム構築をご相談いただく際、従来の紙の申込書をそのままWeb化してほしいという要望をいただくことがあります。
■紙の申し込み書の例
その場合、現在使用している紙の申込書の項目にならいWebフォームの項目を決める形となりますが、フォームを作成したらそこで完了とは思わないようにしましょう。後から入力項目ごとに見直し、離脱されるポイントを探っていくとフォームの問題点が見え、離脱率の低下へとつなげられることでしょう。
<実際にあった離脱ポイント>「項目の順番」
■Web化した申し込みフォームの例
入力フォームの現状
上記例のように紙の申込書にならい、「ふりがな」「氏名」の順番で入力するフォームとなっていました。
多くの方は普段から名前は漢字で入力しているため、変換候補や予測入力に漢字が表示され、「ふりがな」の欄にそのまま漢字を入力してしまうことがあります。それが原因となりエラーが発生し、離脱につながっていました。
改善点
入力を「氏名」「ふりがな」並び順に変更しました。
これ以外にもWebフォームは申込日の自動入力や生年月日から年齢を自動計算するといったことも可能ですので、紙の申込書に比べて不要な項目を削ることができます。不要な項目を削ることで入力の手間が軽減され、離脱率の低下につながります。
このような改善はひとつひとつの効果は微々たるものですが、積み重ねることで離脱率は下がっていきます。
よって、紙の申込書をそのままWeb化すれば良いというわけではないのです。エラーを引き起こしている要因がないか、Web化するにあたって不要な項目はないかなど、全体のボリューム感も含めて項目を検討しましょう。
まとめ
このように小さな改善を繰り返しデータ分析をすることで、Webフォームからの離脱率は下がります。その結果、売り上げに貢献するWebフォームへと変化していきます。
とはいえ、保証会社様提供のWebフォームをそのまま利用している場合など、例に挙げたような自由な改修が難しい金融機関様も多いのではないでしょうか。
弊社顧客管理システム「Synergy!」は、個人情報を堅牢なデータベースに格納するシステムと、そのインターフェースとしてWebフォーム機能を提供しています。
保証会社様が提供される受付フォームの項目を離脱が多いからといって改修することは難しいですが、弊社のようなWebフォーム機能を持つデータベースを保有していただくことによって、お客様にストレスを与えないローンの申し込み受け付けができるようになります。
次回は弊社の受付フォームから格納されたデータを、どのように活用してローン審査フローを運用していくかについてお伝えします。