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DBX2020セミナー開催レポート:【常陽銀行様ご登壇】デジタルマーケティングを実現するプラットフォーム構築と活用事例

2021年1月27日 1,626 Views
常陽銀行_DBX2020

シナジーマーケティング 金融ビジネス推進グループの前岡です。

「【常陽銀行様ご登壇】デジタルマーケティングを実現するプラットフォーム構築と活用事例」というタイトルでDBX2020 onlineに参加しました。

講師として常陽銀行 ダイレクト営業部 次長 丸岡 政貴様にご登壇いただき、
・「DX対応=先進ITツールの導入」と安易に考えていませんか?
・足元のデータ管理、おろそかにしていませんか?
といったハッとさせられる内容から、常陽銀行様でのデジタルプラットフォームの実態について、詳細を赤裸々にお話しいただきました。

この記事ではその内容をお届けいたします。

個人的に講演のリハーサルから何度も丸岡様のお話をお伺いしました。
決して難しいことをおっしゃっているわけではありませんが、改めてわれわれ支援側の人間も、足元から見つめて行く必要があると考えさせられました。

「DX推進」に課題を持たれている担当者様はもちろんですが、
「顧客データの管理どうしようか?」「顧客データ活用なんて考えたこともない」という方にぜひお読みいただきたいです。

常陽銀行のご紹介

常陽銀行は茨城県水戸市に本店を置く銀行です。
「健全、協創、地域と共に」を経営理念とされています。

また、ご講演いただいた丸岡様は常陽銀行でデジタルマーケティング分野に約15年従事されており、現在も、Webマーケティング、無担保ローン推進、インターネットバンキング、アプリ運営、新アプリの開発、コールセンターやバックオフィスの業務改革などを統括されています。

また常陽銀行様では弊社の「Synergy!」を2011年にご導入いただいており、デジタルマーケティングのプラットフォームとして、さまざまな用途でさまざまな部署で活用いただいています。

デジタルマーケティングで最初に考えるべきことは?

丸岡様からはまず、講演のテーマでもある「デジタルマーケティング」の考え方の導入の部分をお話しいただきました。

昨今、コロナの影響もあり「DX」や「デジタル化」といった部分にフォーカスがあたっています。
その中で多くの金融機関様では、
・「先進的なツール、高価なツールを導入しないといけない」
・「わからないからまず業者に提案をさせよう」
・「とりあえず他行の事例をかき集めよう」
という動きになりがちだと丸岡様はおっしゃいました。

また、
・「デジタルと言っても『商売の本質』は変わらない。」
・「先進的なツールも『道具』にすぎない。道具は使いこなせなければ意味がない」
・「基礎的なツールも『道具』で、できることはたくさんある」
ともお話しいただき、デジタルとはいえ、まずは当たり前のことから見直してみることが大事だとおっしゃいました。

そして、金融機関における「見直すべき当たり前」は「ありきたりな日常業務から得られるデータの整理とその活用」とおっしゃいました。

(※前岡談:これは金融業界に限らず、さまざまな業界で同じ悩みを持たれている担当者様がいらっしゃいます。個人的にたくさんお見かけしております。)

まず足元のデータから見直そう

では、まず足元から見直そう!としたときにどうすればよいのでしょうか?

丸岡様は資料の中で、データの管理・活用状況には6つの段階があるとお話されました。
最終的な目標は「保存・蓄積・連携・他用途利用しており、部署を横断してデータを活用している」となります。

ただ、金融機関様によっては「そもそも顧客情報は紙で管理しており、デジタル化されていない」という状況もあり得るかと存じます。
その場合はまず、データのデジタル化から始めていく形となります。

常陽銀行の事例

では常陽銀行様ではどのようにデータ活用をされているのか?

丸岡様からは、常陽銀行様でのデジタルプラットフォーム構築として下記のようなイメージであるとお話されました。

金融機関では、ローン申し込みや口座開設、インターネットバンキング、クレジットカード申し込みやセミナーなど、多数の顧客接点があります。

この顧客接点から得られた顧客データを、メールアドレスをキーに一元管理することで、メール一斉配信はもちろん、年齢別や目的別にセグメントしたメール配信といった形で活用されています。

ただ、丸岡様は「(冒頭で話したツールの話と同様に)メルマガはあくまで手段です。デジタルプラットフォーム構築の目的は『会えないお客様とかんたんにコミュニケートできるDBの構築』であり、この事例からは思想や考え方について着目していただきたい。」ともお話されていました。

もしこれから始めるならどうすればいいか?

その上で「もしこれから始めるならどうすればいいか?」についても丸岡様からお話しいただきました。

丸岡様はこれから始める際のポイントについて下記のようにおっしゃいました。
・「各システム、各部署で保有している『すべての情報』を無理に集約しようとしない。メールアドレスなどのキー情報だけでも十分」
・「データをシームレス(全自動)に連携しようとしない。デジタルプラットフォーム構築の『目的がブレない』のであれば、最初は手作業のデータ授受でも十分」
 (※前岡談:シームレスなデータ連携をしようとすると、システム面・運営面両面で大きなコストが発生します。)
・「IT導入について先進性や流行にこだわりすぎず、基礎を固めてから応用していく姿勢が良い(目的なく先進ツールに飛びつくと失敗しやすい)」

実際に常陽銀行様でも、前出の図のようにさまざまな顧客接点から取得したデータを集約していますが、それらのすべてのデータ項目を集約されているわけではありません。
実は「データの”表記ゆれ”がない共通データ項目」のみを集約されています。

また、金融機関様で顧客情報、顧客データといえば「CIFデータ」が想起されると思います。
常陽銀行様でもCIFデータを活用されていますが、CIF有りきではなく「不足情報は事後補完できればOK」というスタンスでデータ集約を実現されています。
(※前岡談:講演後の質疑応答で丸岡様は「CIF有りきだと口座のある顧客にしかアプローチができないので、見込み顧客にもアプローチすることを考えてメールアドレスをキーに環境構築をしている」とお話されていました。)

そしてさまざまな顧客接点から取得したデータの集約は、四半期に一度程度のスパンで実施をされているとのことでした。

常陽銀行が「Synergy!」を10年近く使い続けている理由

講演の最後に、常陽銀行様が「Synergy!」を10年近く使い続けている理由をお話しくださいました。

前出の資料の中でもご案内しておりますが、常陽銀行様ではさまざまな利用目的でさまざまな部署でSynergy!をご利用いただいております。
運用はすべて行内で実施されており、弊社側では初期構築支援などの最低限の部分でご支援させていただいております。

丸岡様からは、Synergy!の主な利点として下記のようなメリットがあるとお話をいただきました。

・管理画面からさまざまな申し込みフォーム(WEB画面)やデータベースの構築、メール一斉配信などが簡単にできる
 (前岡談:金融マーケナビのメルマガ申し込みフォームやアンケートも、前岡にて管理画面より15分足らずで構築しています。前岡はHTMLは書けません。)
・保管レコード数に応じた従量課金だから、統合DB化しても用途ごとにバラで使っても無駄な費用が発生しない
 (前岡談:Synergy!は従量課金制となっており、「15,000円~/月」でご利用いただくことが可能です。※初期費用、代行費用は別途発生します。)
・データベースのレコードフォーマットが自由に設計できる。だから用途を選ばず活用でき、データ連携も簡単
 (前岡談:Synergy!はデータベースの『型』は決まっていますが、項目や選択肢の名称は自由に設計することができます。そのため金融業界に限らず多種多様な業界でSynergy!は利用されています。)

常陽銀行様ではさまざまな部署でSynergy!を利用される中で、デジタル分野の会話が部署内、部署を跨いでも成り立つようになったとのことでした。
丸岡様は最後に「DXを推進するには特定の部署のみがデジタルに取り組むのではなく、さまざまな部署のさまざまなメンバーがデジタルにアレルギーなく取り組むことが大事ではないか」とお話され講演は終了いたしました。

視聴者の感想

講演後のアンケートでは、約95%の方が「大変参考になった、参考になった」とご回答くださいました。
また、冒頭に丸岡様からお話しいただいた顧客情報の活用状況をお伺いすると約60%の方が「顧客情報を持っており、活用したいが一元管理ができていない」と回答されていました。

この記事をご覧いただいている方々の中にも「顧客情報を持っているが活用できていない」というご担当者様がいらっしゃるかと思います。

ぜひこの丸岡様のお話が、みなさまの業務の一助になれば幸いです。
※もし「一人では不安なので話をしたい」というご要望があれば、情報交換レベルで問題ございませんのでお気軽に前岡までご連絡ください。

最後に

シナジーマーケティングでは、多数の金融機関様が自社の成果向上につなげていただけるよう、今後も精いっぱいご支援させていただきます。

また「金融マーケナビ」では弊社でご支援している金融機関様に限らず、さまざまな金融機関様での施策事例を掲載することで、全国のご担当者様のお力になれればと思っています。

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最後までご覧いただきありがとうございました。